80 歳の男性。発熱、咳嗽および呼吸困難のため救急車で搬入された。既往歴に脳梗塞…
80 歳の男性。発熱、咳嗽および呼吸困難のため救急車で搬入された。既往歴に脳梗塞があり、右片麻痺と失語がある。体温38.6 ℃。心拍数108/分、不整。血圧142/100mmHg。呼吸数24/分。SpO2 90 %(鼻カニューラ2 L/分 酸素投与下)。右背側にcoarse crackles を聴取する。検査の結果、肺炎と診断され、抗菌薬投与のため末梢静脈路確保を行うこととした。この患者の末梢静脈路確保に最も適切な静脈はどれか。
- ⑴ 左肘正中皮静脈非麻痺側の左上肢にある太い静脈で穿刺しやすく、末梢静脈路の確保に適しています。
- ⑵ 右肘正中皮静脈右上肢は麻痺側であり、浮腫や合併症の観察が難しいため避けます。
- ⑶ 左橈側皮静脈非麻痺側の左上肢の静脈で、固定しやすく末梢静脈路の確保に適しています。
- ⑷ 右橈側皮静脈右上肢は麻痺側であり、末梢静脈路の確保は避けます。
- ⑸ 右大伏在静脈下肢の静脈は深部静脈血栓症や感染の危険が高く、通常は用いません。
設問は1つ選ぶ形だが、正答表では⑴・⑶のいずれも正答としている(出題側が複数正解として扱った問)。どれを選んでも正解になる。
解説
正解は⑴と⑶です(公式正答では⑴と⑶のどちらを選んでも正解とされています)。本例は脳梗塞による右片麻痺があり、麻痺側の上肢は循環やリンパの流れが悪く、浮腫や静脈炎、点滴漏れに気づきにくいため、末梢静脈路は非麻痺側である左上肢に確保するのが原則です。左肘正中皮静脈は太く穿刺しやすく、左橈側皮静脈は前腕の外側を走行し固定しやすいため、いずれも適しています。下肢の静脈は血栓症や感染の危険が高く、通常は避けます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-01.html)を加工して作成