27 歳の女性。頸部腫大を主訴に来院した。6 か月前から体重が減少し、汗をかきや…
27 歳の女性。頸部腫大を主訴に来院した。6 か月前から体重が減少し、汗をかきやすいことを自覚している。身長164 cm、体重47 kg(6 か月前は52 kg)。脈拍112/分、整。血圧120/76mmHg。頸部の外観写真(別冊No. 29A)と甲状腺超音波像(カラードプラ)(別冊No. 29B)とを別に示す。この患者の血液検査で高値なのはどれか。2 つ選べ。
- ⑴ CRPBasedow病では炎症反応は通常上昇せず、CRPは正常です。亜急性甲状腺炎では上昇します。
- ⑵ FT3甲状腺ホルモンの過剰産生により、FT3は高値となります。
- ⑶ TSH甲状腺ホルモン過剰によるネガティブフィードバックで、TSHは抑制されて低値となります。
- ⑷ 可溶性IL-2 受容体可溶性IL-2受容体は悪性リンパ腫などで上昇し、Basedow病の指標ではありません。
- ⑸ 抗TSH 受容体抗体〈TRAb〉TRAbはBasedow病の原因となる自己抗体で、高値となります。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑵と⑸です。若年女性に体重減少、発汗過多、頻脈を伴うびまん性甲状腺腫を認め、カラードプラ超音波は本文から確認できませんが甲状腺内の血流の著明な増加(甲状腺火焔状所見)が想定され、Basedow病が考えられます。Basedow病ではTSH受容体を刺激する自己抗体(TRAb)によって甲状腺ホルモンが過剰に産生され、FT3とFT4は高値、TSHはネガティブフィードバックで抑制されて低値となります。CRPは通常上昇せず、亜急性甲状腺炎との鑑別に役立ちます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-01.html)を加工して作成