3 歳の男児。言葉の遅れを心配した両親に連れられて来院した。有意語は2 歳6か月…
3 歳の男児。言葉の遅れを心配した両親に連れられて来院した。有意語は2 歳6か月に出現したが、2 語文はなく、独特の抑揚のある発語やオウム返しがみられるという。保育園では集団行動が苦手で、友達と一緒に遊ばない。いつもと異なる道で登園しようとするとかんしゃくを起こす。診察室では、視線が合いにくく、落ち着きなく歩き回り、診察に応じようとしない。診察時の適切な対応はどれか。
- ⑴ 押さえつけて診察する。押さえつけると強い不安やパニックを招き、適切な診察や観察ができなくなります。
- ⑵ 自由に行動させて観察する。自由に行動させて遊び方や対人反応を観察することが、評価に必要な情報を得る適切な方法です。
- ⑶ 着席するよう厳しく指示する。厳しい指示は本人の不安を強めるだけで、行動の特性を評価する妨げになります。
- ⑷ しつけが悪いと両親を注意する。発達特性はしつけの問題ではなく、両親を責める対応は不適切です。
- ⑸ 行動が落ち着いた時期の再受診を両親に指示する。落ち着くのを待っても特性は変わらず、診断と支援の開始が遅れるため不適切です。
解説
正解は⑵です。言葉の遅れ、独特な抑揚やオウム返し、対人交流の乏しさ、変化への強い抵抗、視線の合いにくさから、自閉スペクトラム症が考えられます。診察では無理に指示に従わせようとせず、自由に行動させながら遊び方、対人反応、言語、こだわりなどを観察することが大切で、それ自体が重要な診断情報になります。押さえつけや厳しい叱責は強い不安やパニックを招きます。両親を責めず、特性として理解し支援につなげる姿勢が求められます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-01.html)を加工して作成