24 歳の女性。職場で過量服薬を繰り返すため通院中の精神科を受診した。小学生まで…
24 歳の女性。職場で過量服薬を繰り返すため通院中の精神科を受診した。小学生までは生活面と成績に問題なく、教師から高い評価を受けていた。中学生ごろから学校で突然怒り出すようになり、高校生から男性と交際して別れることを繰り返すようになった。20 歳ごろから交際相手と別れ話が出るたびに自傷行為を繰り返していた。22 歳で大学卒業後、事務職として就職。精神科の通院を開始して、抗うつ薬と睡眠薬の処方を受けるようになった。職場でミスを指摘されると、一度に10 錠程度の睡眠薬を内服することを繰り返していた。診断はどれか。
- ⑴ 双極性障害躁病エピソードと抑うつエピソードの存在が必要で、本例では示されていません。
- ⑵ 統合失調症幻覚や妄想などの陽性症状がなく、合いません。
- ⑶ 自閉スペクトラム症幼少期からの社会的コミュニケーションの障害やこだわりが特徴で、合いません。
- ⑷ 注意欠如多動性障害〈注意欠如多動症〉幼少期からの不注意や多動・衝動性が特徴で、小学生まで問題なかった経過と合いません。
- ⑸ パーソナリティ障害〈パーソナリティ症〉不安定な対人関係、衝動性、反復する自傷行為が持続し、境界性パーソナリティ障害に合致します。
解説
正解は⑸です。思春期以降から、衝動的な怒り、不安定で激しい対人関係、見捨てられることへの反応としての自傷行為、ストレス時の衝動的な過量服薬を繰り返しており、境界性パーソナリティ障害(パーソナリティ症)が考えられます。感情、対人関係、自己像の不安定さと衝動性が持続的なパターンとして認められるのが特徴です。治療は弁証法的行動療法などの精神療法が中心で、薬物療法は補助的に用います。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-01.html)を加工して作成