23 歳の男性。職場に行けないことを主訴に来院した。2 か月前に商品発注のミスで…
23 歳の男性。職場に行けないことを主訴に来院した。2 か月前に商品発注のミスで取引先の会社から苦情を受け上司からも強く叱責された。その後、気分が晴れず、仕事に前向きになれない。夜は仕事のことが頭から離れず寝つきが悪くなったが、休日には趣味のサークル活動を以前と変わらず楽しめていた。1 週間前から、朝会社に行こうとすると動悸がするようになり休んでいる。既往歴と家族歴に特記すべきことはない。受診後、自宅療養することとなり動悸は軽快した。また、会社から上司が叱責したことへの謝罪を受け、取引先を変更してもらったところ、3 か月後から復職が可能となった。診断はどれか。
- ⑴ うつ病休日の趣味は楽しめており、ストレス因子の除去で改善しているため、うつ病は考えにくいです。
- ⑵ 社交不安障害人前で注目される場面全般への強い不安が特徴で、本例の経過とは合いません。
- ⑶ 概日リズム障害睡眠と覚醒の時間帯のずれが主体で、本例の経過とは合いません。
- ⑷ 適応障害〈適応反応症〉明確なストレス因子への反応として症状が生じ、因子の除去で改善しており合致します。
- ⑸ 心的外傷後ストレス障害生命の危険などの外傷的出来事が前提で、再体験症状などを伴い、合いません。
解説
正解は⑷です。仕事上のミスと上司の叱責という明確なストレス因子の後に、気分の落ち込み、意欲の低下、不眠、出勤時の動悸などが出現し、職業上の機能が障害されています。一方で、休日の趣味は楽しめており興味や喜びの喪失はなく、ストレス因子が取り除かれると症状が改善して復職できていることから、適応障害と診断されます。うつ病ではストレス因子から離れても抑うつ気分や興味の喪失が持続するのが一般的です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-01.html)を加工して作成