45歳の女性。数年前から口の渇きと目の乾きがある。最近、手足に力が入らなくなり、…
45歳の女性。数年前から口の渇きと目の乾きがある。最近、手足に力が入らなくなり、受診した。血清カリウムが2.6 mEq/Lと低く、血液は酸性に傾いているが、陰イオンギャップは正常である。尿のpHは6.5とアルカリ側である。腹部の画像で、両側の腎臓に石灰化がみられる。最も考えられる病態はどれか。
- ⑴ 集合管から酸を尿へ出す働きが落ち、酸がたまる。遠位の尿細管が酸を排泄できない尿細管性アシドーシスで、尿が酸性にならず、低カリウムや腎石灰化を伴います。
- ⑵ 糖尿病でケトン体がたまり、陰イオンギャップが増えている。陰イオンギャップは正常で、ケトン体の蓄積とは異なります。
- ⑶ 呼吸が抑えられて、二酸化炭素がたまっている。呼吸の異常を示す情報はなく、尿の異常と低カリウムが中心です。
- ⑷ 嘔吐で胃酸が失われ、血液がアルカリ性に傾いている。本例は血液が酸性に傾いており、嘔吐による変化とは逆です。
- ⑸ 下痢で重炭酸イオンが失われ、血液が酸性に傾いている。下痢の情報はなく、尿が酸性にならないことは説明できません。
解説
腎臓の集合管から酸を尿へ出す働きが落ち、酸が体にたまっている遠位尿細管性アシドーシスが最も考えられます。酸を排泄できないため、血液は酸性に傾いても尿は酸性になりません。陰イオンギャップは正常で、低カリウム血症、腎臓の石灰化や結石を伴います。シェーグレン症候群などの自己免疫の病気に合併することがあり、本例も口や目の乾燥がみられます。アルカリ剤とカリウムを補って治療します。
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