在胎28週、出生体重1,000 gで出生した女児。新生児集中治療室で人工栄養を少…
在胎28週、出生体重1,000 gで出生した女児。新生児集中治療室で人工栄養を少しずつ増やしていたところ、生後10日目に腹部が張り、胆汁の混じった嘔吐と血便が出た。腹部エックス線写真で、腸の壁の中に泡のような空気の像がみられる。最も考えられるのはどれか。
- ⑴ 母親の胎内で腸がねじれて、生まれつき通過が悪い。生まれつきの腸のねじれなら出生後早くから症状が出ます。腸壁の空気の像は説明できません。
- ⑵ 肛門の近くの腸に神経の細胞がなく、便が出にくい。腸の神経節細胞の欠如では便秘と腹部膨満が中心で、腸壁内の空気の像は特徴ではありません。
- ⑶ ビタミンKが足りず、腸の粘膜から出血している。ビタミンKの不足による出血では、腹部の張りや腸壁内の空気の像はみられません。
- ⑷ 胃の出口の筋肉が厚くなり、ミルクが十二指腸へ流れない。幽門の筋肉の肥厚では胆汁を含まない噴水状の嘔吐が起こり、血便や腸壁の空気の像はありません。
- ⑸ 未熟な腸の壁が血流の不足と細菌で壊死しかけている。早産児の腹部膨満、血便、腸壁内の空気の像は、壊死性腸炎の特徴です。
解説
未熟な腸の壁に血流の不足と細菌の侵入が加わり、腸が壊死しかけている壊死性腸炎が最も考えられます。早産児、特に出生体重の小さい児で、経腸栄養を進める時期に起こりやすく、腹部の張り、胆汁性の嘔吐、血便がみられます。腸の壁の中に細菌が作るガスがたまる像が特徴です。絶食にして胃の中を減圧し、抗菌薬を投与します。腸に穴があいた場合は手術が必要です。
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