86歳の女性。アルツハイマー型認知症が進み、言葉で気持ちを伝えることがほとんどで…
86歳の女性。アルツハイマー型認知症が進み、言葉で気持ちを伝えることがほとんどできない。乳癌の骨転移があり、緩和ケアを受けている。数日前から、おむつ交換で体の向きを変えると顔をしかめてうめき声を上げ、介護者の手を払いのけるようになった。食事の量も減っている。痛みの評価と対応として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 痛みの程度を0から10の数字で本人に答えてもらい、その数字で鎮痛薬を決める。数字で答える尺度は、言葉で伝えられない人には使えません。観察による評価を用います。
- ⑵ 本人が「痛い」と言わない限り、痛みはないものとして鎮痛薬は使わない。認知症の人は痛みを言葉で表せないことが多く、訴えがないことは痛みがないことを意味しません。
- ⑶ 体の向きを変えると痛がるので、おむつ交換と体位変換を中止する。体位変換をやめると床ずれなどの別の苦痛を招きます。痛みを抑えてケアを続けます。
- ⑷ 表情や声、体の動きの変化を痛みのサインとして評価し、鎮痛薬の使用を検討する。言葉で訴えられない人では、表情、うめき声、体の動き、食欲の変化などを手がかりに痛みを評価します。
- ⑸ 介護者の手を払いのけるのは認知症の行動症状なので、抗精神病薬で落ち着かせる。動かしたときの表情の変化は痛みを示すことが多く、まず痛みを評価して対処します。
解説
表情や声、体の動きの変化を痛みのサインとして評価し、鎮痛薬の使用を検討するのが最も適切です。認知症が進んだ人は痛みを言葉で訴えられないことが多く、顔をしかめる、うめく、触れられるのを嫌がる、食事が減るといった変化が痛みのサインになります。こうした行動を認知症の症状と決めつけて鎮静の薬を使うと、痛みが見過ごされます。観察による評価の尺度を使い、鎮痛薬の効果も同じ方法で確かめます。
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