70歳の男性。以前から右の脚の付け根に、立つと膨らみ横になると消えるふくらみがあ…
70歳の男性。以前から右の脚の付け根に、立つと膨らみ横になると消えるふくらみがあった。今朝、重い物を持ち上げたあとから、ふくらみが硬く大きくなって戻らなくなり、強く痛む。吐き気があり、腹部が張っている。ふくらみは押すと痛がり、皮膚が赤みを帯びている。最も考えられる状態はどれか。
- ⑴ 脚の静脈が太くなって、こぶのようにふくらんでいる。静脈瘤では硬く戻らない痛いふくらみや、吐き気、腹部の張りは起こりません。
- ⑵ 脚の付け根のリンパ節が細菌感染で腫れて膿がたまっている。リンパ節炎では立つと膨らみ横になると消える経過はなく、腸閉塞の症状も起こりません。
- ⑶ 陰嚢の中に液体がたまって大きく腫れている。陰嚢水腫は痛みのない腫れで、急に硬く戻らなくなる経過とは異なります。
- ⑷ 脚の付け根の筋肉が肉離れを起こして腫れている。筋の損傷では以前からの出入りするふくらみや腸閉塞の症状は説明できません。
- ⑸ 腹壁の弱い所から出た腸が締めつけられて戻らなくなっている。以前からの鼠径部のふくらみが急に戻らなくなり痛むのは鼠径ヘルニアの嵌頓で、腸の血流が途絶える前に整復や手術が必要です。
解説
腹壁の弱い所から出た腸が締めつけられて戻らなくなっている、鼠径ヘルニアの嵌頓が最も考えられます。鼠径ヘルニアは、立つと脚の付け根が膨らみ横になると戻るのが特徴ですが、出口で腸が締めつけられて戻らなくなると嵌頓となり、強い痛みと腸閉塞の症状が出ます。時間がたつと腸の血流が途絶えて壊死するため、早く整復を試み、戻らない場合や壊死が疑われる場合は緊急手術を行います。
当サービスが作成したオリジナル問題です。実際の試験問題ではありません。