64歳の男性。2日前から黒い便が続き、立ちくらみがあるため受診した。尿素窒素48…
64歳の男性。2日前から黒い便が続き、立ちくらみがあるため受診した。尿素窒素48 mg/dL、クレアチニン0.9 mg/dLで、1か月前の健康診断ではいずれも正常であった。尿素窒素がクレアチニンに比べて大きく上がっている理由として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 肝臓の働きが落ち、アンモニアから尿素を作る量が増えた。肝機能が落ちると尿素の合成は減り、尿素窒素はむしろ下がります。
- ⑵ 腎臓の糸球体が広く壊れ、老廃物を排泄する力が急に失われた。腎機能が大きく落ちていればクレアチニンも上がるはずで、正常値と合いません。
- ⑶ 尿の通り道がふさがり、尿素が膀胱から吸収された。尿路の閉塞では両方の値が上がり、黒い便の説明にもなりません。
- ⑷ 筋肉が壊れて、筋の中の成分が血液に大量に流れ出た。筋の崩壊ではクレアチンキナーゼが上がり、黒い便とは結びつきません。
- ⑸ 腸に出た血液のたんぱく質が吸収され、尿素が多く作られた。上部消化管出血では腸で血液のたんぱく質が分解吸収され、尿素窒素だけが目立って上がります。
解説
消化管に出た血液のたんぱく質が分解・吸収され、尿素が多く作られたためです。胃や十二指腸などから出血すると、腸の中の血液が消化されてアミノ酸として吸収され、肝臓で尿素に変わります。出血による循環血液量の減少も加わり、クレアチニンに比べて尿素窒素が大きく上がります。この比の上昇は、黒い便とあわせて上部消化管出血を考える手がかりになります。
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