60歳の男性。2時間前から強い胸痛が続き、救急搬送された。心電図でV1〜V5誘導…
60歳の男性。2時間前から強い胸痛が続き、救急搬送された。心電図でV1〜V5誘導にST上昇を認める。血圧74/46 mmHg、脈拍118/分。冷や汗をかき、手足は冷たく、尿量が少ない。両肺に水泡音を聴取する。昇圧薬を開始した。この患者の救命に最も重要な治療はどれか。
- ⑴ 緊急に冠動脈造影を行い、閉塞した血管を再開通させる。広範な前壁梗塞による心原性ショックでは、閉塞した冠動脈を速やかに再開通させることが救命の鍵です。
- ⑵ 血圧を上げるため、生理食塩液を急速に大量に点滴し続ける。肺水腫を伴う左心不全によるショックで大量輸液を続けると、肺のうっ血がさらに悪化します。
- ⑶ 心拍数を落とすため、β遮断薬を静注して心臓を休ませる。心原性ショックでβ遮断薬を使うと心収縮力が落ち、ショックが悪化します。
- ⑷ 肺のうっ血を取るため、大量の利尿薬を急速に静注する。低血圧の状態で大量の利尿薬だけを使うと循環がさらに悪くなり、原因の治療にもなりません。
- ⑸ 胸痛に対して鎮痛薬を投与し、心電図の変化が戻るのを待つ。鎮痛だけでは心筋の壊死は止まらず、ショックも改善しません。再灌流が必要です。
解説
緊急に冠動脈造影を行い、閉塞した血管を再開通させることが最も重要です。広い範囲のST上昇を伴う前壁の急性心筋梗塞により心臓のポンプの働きが大きく落ち、血圧低下、末梢の冷感、乏尿、肺うっ血を伴う心原性ショックに陥っています。昇圧薬などで循環を支えながら、経皮的冠動脈インターベンションで速やかに再灌流を図り、必要に応じて機械的な補助循環を用います。
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