28歳の女性。最終月経から7週目。昨日から少量の性器出血があり、本日、右下腹部の…
28歳の女性。最終月経から7週目。昨日から少量の性器出血があり、本日、右下腹部の強い痛みが出たため受診した。尿の妊娠反応は陽性である。経腟超音波検査で子宮の内腔に胎嚢を認めず、ダグラス窩に液体の貯留を認める。脈拍110/分、血圧92/58 mmHg。最も考えられる病態はどれか。
- ⑴ 受精卵が子宮の外、多くは卵管に着床し、そこから出血している。妊娠反応陽性で子宮内に胎嚢がなく、下腹部痛と腹腔内の液体貯留、頻脈がある経過は異所性妊娠の破裂を示します。
- ⑵ 右の卵巣にできた腫瘍の根元がねじれ、血流が途絶えている。卵巣腫瘍の茎捻転でも急な下腹部痛は起こりますが、妊娠反応陽性で子宮内に胎嚢がない所見は説明できません。
- ⑶ 子宮内に着床した胎芽の発育が止まり、子宮から排出されつつある。流産では子宮内に胎嚢や内容物が見られることが多く、腹腔内の液体貯留と循環の悪化は説明できません。
- ⑷ 胎盤のもとになる絨毛が異常に増え、子宮内に小さな袋が多数ある。胞状奇胎では子宮内に多数の小さな嚢胞が見られます。子宮内に何もない所見とは合いません。
- ⑸ 虫垂に炎症が起き、右下腹部の腹膜にまで炎症が広がっている。虫垂炎でも右下腹部痛は起こりますが、妊娠反応陽性で子宮内に胎嚢がないことと腹腔内出血は説明できません。
解説
受精卵が子宮の外に着床した異所性妊娠からの出血が最も考えられます。妊娠反応が陽性なのに、妊娠7週で子宮内に胎嚢が見えない場合は、異所性妊娠を疑います。強い下腹部痛、ダグラス窩の液体貯留、頻脈と血圧低下は、卵管などの着床部位が破れて腹腔内に出血していることを示し、緊急の手術が必要になります。流産や胞状奇胎では子宮内に所見があります。
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