56歳の男性。2型糖尿病で5年前から通院している。これまで血糖は安定していたが、…
56歳の男性。2型糖尿病で5年前から通院している。これまで血糖は安定していたが、この3か月で急に悪化した。服薬の仕方は変わっていないという。表情は硬く、受け答えも短い。悪化の背景を知るために医師がかける言葉として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 「血糖が悪化しているので、今日からインスリン注射に切り替えます」悪化の理由を確かめずに治療を強めると、生活上の問題が残ったままになります。まず背景を把握します。
- ⑵ 「次の受診までに体重を3キロ減らせば、数値は元に戻るはずです」背景を聞く前に目標を示しても、悪化の原因が分からず、患者の状況に合った支援になりません。
- ⑶ 「お薬はきちんと飲めていますよね。そうであれば食事が原因ですね」答えを決めつける誘導的な質問で、患者は本当のことを話しにくくなります。背景を探る聞き方ではありません。
- ⑷ 「食事療法を守れなかったのはどうしてですか。理由を教えてください」守れなかったと決めつけて責める聞き方で、患者は防衛的になり、生活の事情を話さなくなります。
- ⑸ 「この数か月で、お仕事やご家庭で何か変わったことはありましたか」生活や心理・社会的な変化を開かれた質問で尋ねると、悪化の背景にある要因を本人の言葉で聞き出せます。
解説
生活の変化を開かれた質問で尋ねる言葉が最も適切です。服薬が変わらないのに血糖が急に悪化した場合、仕事や家庭の変化、ストレス、経済的な問題、気分の落ち込みなど、心理・社会的な要因が背景にあることがあります。表情の硬さもその手がかりです。誘導や非難を含む質問は本音を引き出せません。原因を把握しないまま目標を示したり治療を強めたりしても、根本の問題は解決しません。
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