血管造影検査終了時に面積線量計の積算値が160 Gy・cm²を示した。X 線ビー…
血管造影検査終了時に面積線量計の積算値が160 Gy・cm²を示した。X 線ビームの患者皮膚入射面積の平均値が400 cm²の一定の面積として考えるとき、この検査における患者の入射皮膚吸収線量[Gy]に最も近いのはどれか。ただし、後方散乱係数を1.4、組織線量変換係数(空気に対する皮膚の質量エネルギー吸収係数の比)を1.06 とし、検査テーブルの吸収補正と付加フィルタの吸収補正は考慮しない。
- ⑴ 0.1面積で割った後に後方散乱係数と組織線量変換係数を掛けず、さらに桁を誤った場合の値です。計算の各段を順に確認しましょう。
- ⑵ 0.3面積で割った空気吸収線量0.4 Gyより小さく、後方散乱係数を掛けるどころか割ってしまった場合に近い値です。散乱により皮膚線量は増えます。
- ⑶ 0.6160 Gy・cm2÷400 cm2=0.4 Gy、これに後方散乱係数1.4と組織線量変換係数1.06を掛けて0.4×1.4×1.06≒0.59 Gyとなり、0.6 Gyが最も近い値です。
- ⑷ 1.0面積で割る操作を誤ったり、係数を重複して掛けた場合に出る値です。正しく計算すると0.6 Gy程度にとどまります。
- ⑸ 1.2空気吸収線量0.4 Gyの3倍にあたる値で、与えられた係数の積(1.4×1.06≒1.48)と合いません。
解説
正解は⑶です。まず面積線量(Gy・cm2)を照射面積で割って空気吸収線量に換算します。160 Gy・cm2÷400 cm2=0.4 Gyです。ここに後方散乱係数1.4と組織線量変換係数1.06を掛けると、0.4×1.4×1.06≒0.594 Gyとなり、最も近いのは0.6 Gyです。面積線量計の値は入射面全体にわたる積算値なので、面積で割って単位面積当たりに戻す操作が最初の一歩になります。散乱の寄与と空気から皮膚への換算を掛け忘れないよう注意してください。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-06.html)を加工して作成