核磁気共鳴で正しいのはどれか。
核磁気共鳴で正しいのはどれか。
- ⑴ T1 緩和時間はT2 緩和時間よりも短い。逆です。生体組織ではT1がT2より長く、1.5 Tの脳白質でもT1は数百ms、T2は数十msの程度です。
- ⑵ 核スピンの励起にはマイクロ波を使用する。用いるのはMHz帯のラジオ波です。マイクロ波は電子スピン共鳴などで使う帯域で、核磁気共鳴の励起には使いません。
- ⑶ Larmor〈ラーモア〉周波数は外部磁場の強さに比例する。ラーモア周波数はf=γB0/2πで静磁場に比例します。水素では約42.6 MHz/Tなので、1.5 Tで約64 MHz、3 Tで約128 MHzとなります。
- ⑷ 陽子と中性子の両方が偶数個の原子核が観測対象である。陽子数・中性子数がともに偶数の核は核スピンが0となり共鳴を示しません。観測できるのは核スピンをもつ核です。
- ⑸ 外部磁場中におかれた水素原子の核スピンは4 つのエネルギー準位に分かれる。水素原子核のスピン量子数は1/2なので、静磁場中で分かれるエネルギー準位は2つです。4つには分かれません。
解説
正解は⑶です。ラーモア周波数はf=γB0/2πで表され、静磁場強度B0に比例します。水素原子核の磁気回転比は約42.6 MHz/Tなので、1.5 Tでは約64 MHz、3 Tでは約128 MHzとなり、装置の磁場が強いほど共鳴周波数も高くなります。励起に使うのはこの周波数帯のラジオ波であり、核スピン1/2の水素核は磁場中で二つのエネルギー準位に分かれます。緩和時間はT1がT2より長いという関係も基本事項として押さえてください。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-06.html)を加工して作成