中性子で正しいのはどれか。
中性子で正しいのはどれか。
- ⑴ 光電効果に伴い発生する。光電効果で放出されるのは光電子と特性X線・オージェ電子です。中性子は核反応や核分裂によって発生します。
- ⑵ 静止質量は電子よりも小さい。中性子の静止質量は電子の約1839倍で、陽子とほぼ同じです。電荷をもたないことと質量が小さいことは別の話です。
- ⑶ 中性子源として²⁴¹Am の自発核分裂を利用する。241Amは中性子源に使われますが、利用するのはα線をベリリウムに当てる(α,n)反応です。自発核分裂を利用するのは252Cfです。
- ⑷ 熱中性子と物質の相互作用は捕獲反応が支配的である。熱中性子はエネルギーが約0.025 eVと低く、原子核に捕獲される(n,γ)反応の断面積が大きくなるため、捕獲反応が主となります。
- ⑸ 核分裂で発生する即発中性子の平均エネルギーは約10 keV である。核分裂で放出される即発中性子の平均エネルギーは約2 MeVで、けた違いに高い値です。10 keVは中間エネルギー中性子の領域です。
解説
正解は⑷です。熱中性子はおよそ0.025 eVという低いエネルギーしか持たないため、原子核を弾き飛ばす弾性散乱で失うエネルギーが小さく、代わりに原子核に取り込まれる捕獲反応(n,γ)が支配的になります。ホウ素やカドミウムが中性子遮蔽材に使われるのも、この捕獲断面積が大きいためです。中性子は電荷をもたない一方で静止質量は電子の約1839倍あり、核分裂で放出される即発中性子の平均エネルギーは約2 MeVである点も併せて押さえてください。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-06.html)を加工して作成