光子の水に対する質量減弱係数(A)と質量エネルギー転移係数(B)のエネルギー依存…
光子の水に対する質量減弱係数(A)と質量エネルギー転移係数(B)のエネルギー依存性を図に示す。水中で1 MeV 光子がコンプトン反跳電子に付与する平均エネルギー[MeV]に最も近いのはどれか。
- ⑴ 0.24比B/Aを0.24と読み取ると小さすぎます。水の1 MeVでは転移係数と減弱係数の比は約0.44であり、0.24にはなりません。
- ⑵ 0.31質量エネルギー転移係数そのものの数値(約0.031 cm2/g)を桁だけずらして選んでしまう誤りです。比を取る操作が必要です。
- ⑶ 0.43図から1 MeVでA≒0.071 cm2/g、B≒0.031 cm2/gを読み取り、1 MeV×(B/A)≒0.43 MeVとなります。これが反跳電子への平均付与エネルギーです。
- ⑷ 0.521 MeV光子がコンプトン散乱で電子に与えうる最大エネルギー(約0.8 MeV)と平均値を混同すると大きめの値を選びがちです。平均は約0.43 MeVです。
- ⑸ 0.67図の対数目盛を読み違えて比を過大に見積もった場合の値です。縦軸の目盛を丁寧に読み、B/Aを計算する必要があります。
この問題は別冊の図版(写真・標本・心電図など)を見て答えます。図版は転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも所見の読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑶です。反跳電子に与えられる平均エネルギーは、入射光子エネルギーにエネルギー転移の割合を掛けて求めます。その割合は質量エネルギー転移係数と質量減弱係数の比で表せるので、図から1 MeVでの両者の値を読み取り、B/Aを計算します。水では1 MeVで質量減弱係数が約0.071 cm2/g、質量エネルギー転移係数が約0.031 cm2/gですから、1 MeV×0.031/0.071≒0.43 MeVとなります。1 MeVの水では相互作用のほぼすべてがコンプトン効果である点も前提です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-06.html)を加工して作成