外部照射に用いる電子線の特徴で正しいのはどれか。
外部照射に用いる電子線の特徴で正しいのはどれか。
- ⑴ 照射野が大きくなると最大線量深は深くなる。照射野が小さいと側方散乱が不足してdmaxは浅くなりますが、ある程度以上の照射野ではdmaxはほぼ変わりません。大きくすると深くなるわけではありません。
- ⑵ エネルギーが低いほど放射損失の割合は増加する。逆で、放射損失(制動放射)の割合はエネルギーが高いほど大きくなります。低エネルギーでは衝突損失(電離・励起)が主体です。
- ⑶ 線量分布を変化させる場合はウェッジフィルタを用いる。ウェッジフィルタは高エネルギーX線で線量分布を傾けるための器具です。電子線ではボーラスや専用のシールドで分布を調整します。
- ⑷ エネルギーが低いほどビルドアップ領域の線量勾配が急峻になる。低エネルギーではdmaxが浅く表面線量も低いため、表面から最大線量までの距離が短く、ビルドアップ領域の線量勾配が急峻になります。
- ⑸ ガントリ照射口から射出されたスペクトルは線スペクトルである。加速管で加速された電子は散乱箔やモニタ、空気で散乱・減速されるため、射出されるスペクトルは幅をもった連続スペクトルになります。
解説
正解は⑷です。電子線の深部線量曲線は、表面線量から最大線量深(dmax)までのビルドアップ領域をもちます。低エネルギーの電子線では電子の飛程が短くdmaxが浅いため、表面から最大線量に達するまでの距離が短く、線量勾配は急峻になります。逆にエネルギーが高くなるほど表面線量が高くdmaxも深くなるので、立ち上がりは緩やかになります。あわせて、ガントリから出る電子線のエネルギー分布は散乱により広がった連続スペクトルであることも押さえておきましょう。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-06.html)を加工して作成