放射化学分離で正しいのはどれか。
放射化学分離で正しいのはどれか。
- ⑴ 溶媒抽出法は溶解度積を利用した分離法である。溶媒抽出法は、目的物質が水相と有機相に分配される割合(分配係数)の差を利用する分離法です。溶解度積を使うのは沈殿法・共沈法です。
- ⑵ 担体は対象とする放射性核種の同位体に限られる。担体には同じ元素の安定同位体を用いる同位体担体だけでなく、化学的性質の似た別の元素を用いる非同位体担体(保持担体)もあります。
- ⑶ 担体を加えてもラジオコロイドの生成は防げない。逆で、担体を加えて溶液中の目的元素の濃度を上げることにより、微量核種が起こしがちなラジオコロイド化や容器壁への吸着を防げます。
- ⑷ 無担体の放射性核種の比放射能はその核種によって決まる。無担体では試料がその核種のみで構成されるため、比放射能は半減期と質量数から一意に決まり、核種ごとに固有の値となります。
- ⑸ 目的の放射性核種の沈殿を防ぐためにスカベンジャを加える。スカベンジャは目的以外の不要な放射性核種を沈殿に取り込んで除去するために加えるもので、目的核種の沈殿を防ぐためのものではありません。
解説
正解は⑷です。比放射能は単位質量あたりの放射能で、無担体(キャリアフリー)の状態では試料がその放射性核種だけからなるため、比放射能は崩壊定数(半減期)と質量数だけで決まり、核種ごとに一定の値になります。これが無担体標識化合物の比放射能が高い理由でもあります。担体を加えると同じ放射能でも質量が増えるので比放射能は下がります。放射化学分離では、担体・保持担体・スカベンジャの役割の違いを整理して覚えることが大切です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-06.html)を加工して作成