めまいを訴える患者の頭部MRI のFLAIR 像(別冊No. 2A)と拡散強調像…
めまいを訴える患者の頭部MRI のFLAIR 像(別冊No. 2A)と拡散強調像(別冊No. 2B)を別に示す。医師に報告すべき病変が存在するのはどれか。
- ⑴ 延髄延髄の梗塞でもめまいは起こりますが、本例では延髄に拡散強調像の高信号やFLAIRの信号変化はみられません。
- ⑵ 眼窩眼窩内の脂肪や眼球、視神経に異常信号はありません。眼窩病変は眼球突出や視力障害として現れ、めまいの原因にもなりません。
- ⑶ 小脳小脳半球に拡散強調像で高信号、FLAIR像で淡い高信号を示す領域があり、急性期小脳梗塞として直ちに医師へ報告すべき病変です。
- ⑷ 後頭葉後頭葉は後大脳動脈領域で、梗塞が起これば視野障害が主症状になります。本例の後頭葉には信号異常がありません。
- ⑸ 側頭葉側頭葉に拡散制限や信号変化は認められません。海馬などの側頭葉病変は記憶障害や意識障害として現れ、めまいの説明にもなりません。
この問題は別冊の図版(写真・標本・心電図など)を見て答えます。図版は転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも所見の読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑶です。拡散強調像で明瞭な高信号を示し、FLAIR像でも同じ部位に淡い高信号を伴う病変が小脳半球にみられ、急性期の小脳梗塞として医師へ速やかに報告すべき所見です。拡散強調像は細胞性浮腫による水分子の拡散低下をとらえるため、発症直後から病変が高信号として描出され、FLAIR像の変化に先行します。めまい・ふらつきという訴えとも一致します。延髄・眼窩・後頭葉・側頭葉には信号異常がなく、報告すべき病変は認められません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-06.html)を加工して作成