腹部MR 像(別冊No. 1)を別に示す。このアーチファクトを軽減する方法で正し…
腹部MR 像(別冊No. 1)を別に示す。このアーチファクトを軽減する方法で正しいのはどれか。
- ⑴ 加算回数を増やす。加算回数を増やすと信号雑音比は改善しますが、脂肪と水の周波数差によるずれ自体は変わりません。アーチファクトの位置ずれは残ります。
- ⑵ 磁場強度を上げる。磁場強度を上げると脂肪と水の周波数差そのものが比例して大きくなるため、ケミカルシフトによるずれはむしろ増大します。
- ⑶ バンド幅を広げる。1画素あたりの周波数幅が大きくなり、脂肪と水の周波数差に相当するずれが画素数として小さくなるため、ケミカルシフトアーチファクトが軽減します。
- ⑷ マトリクス数を増やす。マトリクス数を増やすと1画素あたりの周波数幅が小さくなるので、同じ周波数差でもずれる画素数は増え、アーチファクトは目立ちやすくなります。
- ⑸ 背側の脂肪信号を飽和パルスで抑制する。脂肪信号を抑制すれば脂肪由来のずれは減りますが、背側の一部だけを飽和しても画像全体の境界に生じるずれは残ります。第一選択はバンド幅の調整です。
この問題は別冊の図版(写真・標本・心電図など)を見て答えます。図版は転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも所見の読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑶です。示されているのは、脂肪と水の共鳴周波数の差(約3.5ppm)によって脂肪の信号が周波数エンコード方向にずれて描出されるケミカルシフトアーチファクトで、腎や肝の輪郭に黒い線と白い線の対が現れます。ずれの大きさは1画素あたりの周波数幅に反比例するので、受信バンド幅を広げて1画素が受け持つ周波数幅を大きくすればずれは小さくなります。バンド幅を広げると雑音が増えて信号雑音比は下がりますが、加算回数を増やすなどで補えます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-06.html)を加工して作成