MRI 撮影中に検査室の窓からクエンチによって検査室内が真っ白く曇ったのを確認し…
MRI 撮影中に検査室の窓からクエンチによって検査室内が真っ白く曇ったのを確認した。緊急排気を行ったが動作せず、検査室のドアも開かなくなった。適切な対応はどれか。
- ⑴ 検査室の窓ガラスを割る。気化したヘリウムによる室内の陽圧と酸素欠乏を同時に解消でき、閉じ込められた患者と職員の退出路も確保できるため、この状況で最も適切な行動です。
- ⑵ 消防車の出動を要請する。消防への通報は並行して行う価値はありますが、到着を待つ間に酸素欠乏が進みます。火災ではなく窒息が問題なので、まず室内圧の解放と換気が必要です。
- ⑶ 装置の緊急停止ボタンを押す。緊急停止(緊急消磁)ボタンは磁場を強制的に落とすためのもので、すでにクエンチが起きた後では意味がありません。ガスの排出や解錠にもつながりません。
- ⑷ 検査室内の空調のスイッチを切る。空調を止めると換気がさらに悪くなり、酸素欠乏を悪化させます。この場面で必要なのは空気の入れ換えを増やすことです。
- ⑸ 患者にハンカチや衣類を口にあてて呼吸するように伝える。布を口に当てても酸素が供給されるわけではありません。粉じんや煙とは異なり、酸素欠乏空気に対しては何の防護にもなりません。
解説
正解は⑴です。クエンチでは液体ヘリウムが一気に気化して大量のガスとなり、検査室内は酸素欠乏の状態になります。さらにガスで室内が陽圧となるため、内側へ開くドアは押されて開かなくなります。緊急排気が働かないこの状況では、窓ガラスを割って室内圧を逃がしながら外気を導入し、退出路と換気を確保することが最優先の対応です。ヘリウム自体は不燃性・無毒ですが、酸素を押しのけて窒息を招く点が最大の危険であり、圧の解放と換気を急ぐ必要があります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-06.html)を加工して作成