腹部CT で正しいのはどれか。
腹部CT で正しいのはどれか。
- ⑴ 心電同期撮影を行う。心電同期撮影は心臓の動きに合わせて撮影する方法で心臓CTに用います。通常の腹部CTでは行いません。
- ⑵ 造影検査前は水分制限を行う。ヨード造影剤による腎障害を防ぐには十分な水分が必要なので、検査前の水分制限は行いません。固形物の摂取を控えるのが一般的です。
- ⑶ 位置決めの基準点は胸骨上窩とする。胸骨上窩を基準にするのは胸部撮影です。腹部CTでは剣状突起や腸骨稜などの腹部の指標を用います。
- ⑷ 体幹部に両手を下ろした状態で撮影する。両手を体幹部に下ろすと腕がスキャン範囲に入り、線束硬化による偽像と腕の被ばくを招きます。通常は頭上に挙げます。
- ⑸ ダイナミックCT 検査では非イオン性水溶性ヨード造影剤を使用する。浸透圧が低く副作用が少ない非イオン性水溶性ヨード造影剤を急速静注し、時相を分けて撮影するのがダイナミックCTの標準です。
解説
正解は⑸です。腹部のダイナミックCTでは、副作用が少なく高濃度で急速静注できる非イオン性水溶性ヨード造影剤を用い、動脈相・門脈相・平衡相と時相を分けて撮影します。イオン性造影剤は浸透圧が高く副作用が多いため現在は用いません。心電同期は心臓CT、胸骨上窩の基準は胸部の位置決めであり、造影前に水分制限をすると腎障害の危険が増すので行わず、腹部CTでは腕を頭上に挙げてアーチファクトと被ばくを避けるため、他の選択肢は誤りです。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-06.html)を加工して作成