Bragg-Gray〈ブラッグ・グレイ〉の空洞理論で誤っているのはどれか。
Bragg-Gray〈ブラッグ・グレイ〉の空洞理論で誤っているのはどれか。
- ⑴ 荷電粒子に適用できる。記述は正しいので正答ではありません。空洞理論は空洞内を通過する荷電粒子(二次電子)のエネルギー付与を扱う理論です。
- ⑵ 電子平衡状態で成立する。記述は正しいので正答ではありません。周囲媒質で電子平衡(荷電粒子平衡)が成り立つことが理論の前提です。
- ⑶ 空洞内の電子フルエンスは一様である。記述は正しいので正答ではありません。空洞内の電子フルエンスが一様で周囲媒質と等しいことが前提条件です。
- ⑷ 空洞の大きさは二次電子の最大飛程より小さい。記述は正しいので正答ではありません。空洞が二次電子の最大飛程より十分小さいことがBragg-Grayの条件です。
- ⑸ 空気と物質の吸収線量の比は質量エネルギー吸収係数の比に等しい。誤りの記述なのでこれが正答です。Bragg-Grayの空洞理論では吸収線量の比は質量阻止能の比で与えられ、質量エネルギー吸収係数の比になるのは大空洞の極限です。
解説
正解は⑸です。Bragg-Grayの空洞理論は、媒質中に二次電子の飛程に比べて十分小さい空気空洞を置いたとき、空洞内の電子フルエンスが周囲の媒質と同じであることを前提に、媒質と空気の吸収線量の比を両者の質量阻止能の比で結び付ける理論です。したがって⑸の「質量エネルギー吸収係数の比に等しい」という記述は誤りで、これは空洞が二次電子の飛程より十分大きい場合(光子平衡が成り立つ大空洞、いわゆるFano・Burlinの一方の極限)に当てはまる関係です。二つの極限を混同しないことが要点です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-06.html)を加工して作成