超音波の性質で正しいのはどれか。
超音波の性質で正しいのはどれか。
- ⑴ 空気中を伝播しやすい。空気は超音波の減衰が非常に大きく、伝播しにくい媒質です。だから探触子と体表の間にはゼリーを塗って空気層を除きます。
- ⑵ 組織中を進むにつれて増幅される。超音波は組織中を進むにつれて吸収・散乱・拡散により減衰します。増幅されることはなく、装置側で深さに応じて受信利得を上げて補正します。
- ⑶ 伝播速度は脂肪組織よりも水中の方が遅い。音速は水中で約1530m/s、脂肪組織で約1450m/sなので、水中の方が速いです。記述は逆です。
- ⑷ 音響インピーダンスの差が大きい境界面では反射が強くなる。反射率は両媒質の音響インピーダンスの差で決まり、差が大きい境界面ほど反射が強くなります。空気や骨との境界で反射が強いのはこのためです。
- ⑸ ドプラ効果とは超音波が骨に当たって乱反射する現象である。ドプラ効果は、反射体が動くことで反射波の周波数が変化する現象です。血流速度の計測に使われ、骨での乱反射とは無関係です。
解説
正解は⑷です。超音波が境界面で反射する割合は、両側の媒質の音響インピーダンス(密度×音速)の差で決まり、差が大きいほど反射率が高くなります。だから軟部組織と空気、軟部組織と骨の境界ではほとんどが反射し、その奥が観察できなくなります。逆に軟部組織同士の境界では差が小さく、一部だけが反射して残りは透過するため深部まで描出できます。空気中では減衰が非常に大きく、組織中でも進むにつれて減衰するため、他の選択肢は成り立ちません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-06.html)を加工して作成