放射線発がんで正しいのはどれか。
放射線発がんで正しいのはどれか。
- ⑴ リスクは男性が女性の2 倍とされる。男女差はありますが、放射線による発がんリスクは全体としてむしろ女性の方が高く評価されています。男性が2倍という関係ではありません。
- ⑵ 固形癌の発生は被ばく後7 ~8 年でピークとなる。被ばく後7〜8年でピークを迎えるのは白血病です。固形癌の潜伏期はもっと長く、数十年にわたって過剰発生が続きます。
- ⑶ リスク評価には日本の原爆被爆者データが用いられている。広島・長崎の原爆被爆者の寿命調査が線量反応関係の基礎データとして用いられ、ICRPの名目リスク係数の根拠になっています。
- ⑷ 放射線の影響の判断には相対リスクより絶対リスクが適している。放射線の影響を自然発生率と比べて評価するには、比で表す相対リスク(過剰相対リスク)が広く用いられます。記述は逆です。
- ⑸ 皮膚以外に発生するものは線量効果関係においてしきい値を有する。発がんは確率的影響で、防護の立場ではしきい値がないもの(LNT)として扱います。皮膚以外にしきい値があるという整理はしません。
解説
正解は⑶です。放射線発がんのリスク係数は、広島・長崎の原爆被爆者の長期追跡調査(寿命調査、LSS)を基礎に評価されており、ICRPの勧告する名目リスク係数もこのデータに大きく依拠しています。被ばく線量が個人ごとに推定され、追跡期間が長く対象者数も多いという点で、他に代わるもののない疫学データです。発がんは確率的影響としてしきい値がないと仮定され、女性のリスクがやや高く、固形癌の潜伏期は白血病よりずっと長いので、他の選択肢は成り立ちません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-06.html)を加工して作成