慢性放射線皮膚炎が先行病変となるのはどれか。
慢性放射線皮膚炎が先行病変となるのはどれか。
- ⑴ 悪性黒色腫悪性黒色腫はメラノサイト由来で、紫外線曝露や既存の色素性病変が主な背景です。慢性放射線皮膚炎から生じる代表例ではありません。
- ⑵ カポジ肉腫カポジ肉腫はヒトヘルペスウイルス8型の感染と免疫抑制(AIDSなど)を背景に生じる血管系の腫瘍で、放射線皮膚炎とは無関係です。
- ⑶ 有棘細胞癌難治性の放射線潰瘍を含む慢性放射線皮膚炎の部位から発生する二次癌の代表が有棘細胞癌で、放射線皮膚障害の遅発影響として知られています。
- ⑷ メルケル細胞癌メルケル細胞癌はメルケル細胞ポリオーマウイルスや紫外線、高齢・免疫低下が背景で、慢性放射線皮膚炎が先行病変になるわけではありません。
- ⑸ 成人T 細胞白血病成人T細胞白血病はHTLV-1の感染によって起こる血液の悪性腫瘍で、皮膚病変を伴うことはあっても放射線皮膚炎から発生するものではありません。
解説
正解は⑶です。慢性放射線皮膚炎は、繰り返しの被ばくや高線量被ばくのあとに皮膚の萎縮・色素異常・毛細血管拡張・難治性潰瘍が長く続く状態で、この病変を先行病変として発生する代表的な悪性腫瘍が有棘細胞癌(皮膚扁平上皮癌)です。とくに治らない放射線潰瘍の縁から生じやすく、被ばくから10年以上を経て現れる遅発影響として古くから知られています。他の選択肢は紫外線やウイルス感染など別の要因が主因で、放射線皮膚炎を先行病変とはしません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-06.html)を加工して作成