胎盤を通過する抗体はどれか。
胎盤を通過する抗体はどれか。
- ⑴ IgAIgAは分泌型として母乳や粘膜面の防御に働きますが、胎盤は通過しません。初乳に多く含まれる点と混同しやすい選択肢です。
- ⑵ IgDIgDはB細胞の表面に存在し抗原受容体として働きます。血中濃度はごく低く、胎盤も通過しません。
- ⑶ IgEIgEは肥満細胞や好塩基球に結合してI型アレルギーに関与します。胎盤は通過しません。
- ⑷ IgGFcRnを介した能動輸送で母体から胎児へ移行し、新生児の感染防御に寄与します。
- ⑸ IgMIgMは五量体で分子量が大きく胎盤を通過できません。新生児で高値なら胎内感染を疑う所見となります。
解説
正解は⑷です。IgGは血清中の免疫グロブリンのうち最も量が多く、分子量約15万の単量体として存在します。胎盤の栄養膜細胞にはIgGのFc部分を認識するFc受容体(FcRn)があり、これを介した能動輸送によって母体から胎児へ移行します。このため新生児は生後数か月の間、母親由来のIgGによって感染から守られます。IgMは五量体で分子量が大きく胎盤を通れないので、臍帯血や新生児血でIgMが高値であれば胎内感染を疑う手がかりになります。母乳、とくに初乳に多く含まれて粘膜を守るのは分泌型IgAです。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-06.html)を加工して作成