放射線治療時の深部線量分布を図に示す。図のa からe の線量分布のうち炭素線の物…
放射線治療時の深部線量分布を図に示す。図のa からe の線量分布のうち炭素線の物理線量分布を示すのはどれか。
- ⑴ a深部でピークを作らず、浅い位置の最大線量から緩やかに減衰する曲線はX線の分布です。
- ⑵ b同じく深部にピークがない曲線で、エネルギーの異なるX線やγ線の分布に相当します。
- ⑶ c表面付近に高い線量があり数cmで急に落ちる曲線は電子線の分布で、深部にブラッグピークは現れません。
- ⑷ d深部に鋭いピークをもつ点は炭素線と同じですが、ピークより深部の線量がほぼ零になる形は陽子線の分布です。
- ⑸ e深部の鋭いブラッグピークに加え、核破砕片によるテールがピークより深部に続いており、炭素線の特徴に一致します。
この問題は別冊の図版(写真・標本・心電図など)を見て答えます。図版は転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも所見の読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑸です。炭素線は物質中をほぼ直進しながら少しずつ減速し、停止直前に急激に大きなエネルギーを与えるため、深部に鋭いブラッグピークをもちます。さらに炭素は標的核と核反応を起こして原子番号の小さい破砕片を生じ、これがピークより深くまで飛ぶので、ピークの直後に低い線量の裾(フラグメンテーションテール)が残ります。図でこの「深部の鋭いピーク+その先に続く小さな尾」という形を示す曲線がeです。X線は表面近くのビルドアップの後になだらかに指数関数的に減衰し、電子線は実用飛程で急に落ち、陽子線はピークの先がほぼ零になる点で区別できます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-06.html)を加工して作成