放射線治療効果で誤っているのはどれか。
放射線治療効果で誤っているのはどれか。
- ⑴ 温熱療法は放射線増感効果を示す。記述は正しい内容です。温熱は放射線が効きにくい低酸素細胞やS期の細胞に作用し、増感効果を示します。
- ⑵ 加速過分割照射は増殖が遅い腫瘍に有効である。加速過分割照射は増殖の速い腫瘍の加速再増殖を抑える方法で、「増殖が遅い腫瘍に有効」とする点が誤りです。
- ⑶ シスプラチン(白金製剤)は放射線増感効果を示す。記述は正しい内容です。シスプラチンはDNA損傷の修復を妨げ、代表的な放射線増感剤として同時併用されます。
- ⑷ 放射線治療期間の延長は治療成績の悪化につながる。記述は正しい内容です。休止期間が入って治療期間が延びると加速再増殖により局所制御率が下がります。
- ⑸ 定位放射線照射は通常分割照射に比べ高い局所効果が得られる。記述は正しい内容です。定位照射は少数回で大線量を集中させるため、生物学的に高い局所効果が得られます。
解説
正解は⑵です。加速過分割照射は、1日に複数回の照射を行って総治療期間を短縮する方法で、治療中に腫瘍細胞が急速に増える「加速再増殖」を抑えることを狙いとしています。したがって有効なのは頭頸部扁平上皮癌のように増殖の速い腫瘍であり、増殖が遅い腫瘍に有効という記述は誤りです。増殖の遅い腫瘍ではむしろ1回線量を大きくする方法が理にかないます。温熱療法や白金製剤の併用が増感効果を示すこと、治療期間の延長が成績悪化につながること、定位照射が高い局所制御を得られることはいずれも正しい記述です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-06.html)を加工して作成