18F-FDG PET/CT で得られたPET 像(別冊No. 6)を別に示す。…
18F-FDG PET/CT で得られたPET 像(別冊No. 6)を別に示す。矢印で示す欠損部の原因で最も考えられるのはどれか。
- ⑴ 部分容積効果部分容積効果は分解能より小さい集積の測定値が低く出る現象で、集積が完全に抜けた欠損像を作るものではありません。
- ⑵ 体動による散乱補正エラー体動で補正用データと実測データの位置がずれ、散乱補正が過剰にかかった結果として欠損が生じています。
- ⑶ 呼吸位相の違いによる減弱補正エラー呼吸位相による減弱補正エラーは横隔膜近傍に限って生じ、肝ドーム上の帯状の欠損として現れるのが典型で、部位が合いません。
- ⑷ 体内の高吸収物質による減弱補正エラー金属など高吸収物質による減弱補正エラーでは、補正が過大にかかって見かけの集積亢進を示すことが多く、欠損にはなりにくいものです。
- ⑸ PET とCT の有効視野の違いによるトランケーションアーチファクトトランケーションはPETの視野からはみ出した体側や上肢の外縁に生じるアーチファクトで、体内の欠損としては現れません。
この問題は別冊の図版(写真・標本・心電図など)を見て答えます。図版は転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも所見の読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑵です。PET/CTでは撮像中に被検者が動くと、補正に用いる分布と実際の放射能分布との位置関係がずれ、散乱線の減算が過剰にはたらいた部位が、実際には集積低下がないのに欠損として描出されます。矢印で示された欠損は解剖学的な臓器の境界や病変の形と一致せず、周囲との連続性も不自然であることから、生理的・病的な集積低下ではなく補正処理に由来するアーチファクトと考えられます。体動によるアーチファクトは補正の破綻として生じるため、CT像と重ね合わせて位置ずれの有無を確認することが判別に役立ちます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-06.html)を加工して作成