甲状腺結節の超音波像(別冊No. 5)を別に示す。矢印で示すのはどれか。
甲状腺結節の超音波像(別冊No. 5)を別に示す。矢印で示すのはどれか。
- ⑴ ハローハローは結節の周囲を縁取る低エコーの帯で、被膜や圧排された組織を反映します。今回の所見は高エコーの後方に生じた無エコー帯です。
- ⑵ 音響陰影高エコーの石灰化の直後方に生じた無エコー帯であり、音響陰影の典型像です。
- ⑶ 側方陰影側方陰影は嚢胞など球状構造の辺縁で超音波が屈折して生じ、辺縁の接線方向に出ます。高エコー像の真後ろには生じません。
- ⑷ 多重反射多重反射は反射面の間で音波が往復して等間隔の縞状の像を作るもので、無エコー帯にはなりません。
- ⑸ サイドローブサイドローブは主ビーム以外の弱いビームによる偽像で、無エコー域の中に淡いエコーを描く形で現れます。
この問題は別冊の図版(写真・標本・心電図など)を見て答えます。図版は転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも所見の読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑵です。矢印の先には、結節内の点状〜塊状の高エコー(石灰化)があり、そのすぐ後方に扇形の無エコー帯が伸びています。超音波が石灰化や結石など音響インピーダンスの差が大きい構造にあたると、大部分が反射・吸収されて奥まで届かなくなるため、その後方が黒く抜けます。これが音響陰影で、石灰化や結石の存在を示す重要な所見です。甲状腺結節では微細石灰化が乳頭癌を示唆することがあります。後方が黒く抜けるという同じ見え方をする側方陰影との区別は、陰影が高エコー構造の真後ろに出るか、辺縁の接線方向に出るかで判断します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-06.html)を加工して作成