腹部MR 像(別冊No. 2)を別に示す。画像の説明で正しいのはどれか。2 つ選…
腹部MR 像(別冊No. 2)を別に示す。画像の説明で正しいのはどれか。2 つ選べ。
- ⑴ 水抑制画像である。腹部の造影検査で併用するのは脂肪抑制です。水抑制は主に頭部で脳脊髄液を消すために使う手法で、この画像では水成分は消えていません。
- ⑵ 腎動脈が観察できる。腎動脈は大動脈からほぼ水平に分岐する細い血管で、この画像の断面の高さと分解能では同定できません。
- ⑶ 上行結腸が観察できる。上行結腸は右側腹部を縦に走りますが、この撮像範囲には含まれておらず、腸管として区別できません。
- ⑷ 造影後に撮影している。血管内腔と実質臓器がそろって高信号を示しており、造影剤投与後に撮影された像であることが分かります。
- ⑸ 膵尾部に低信号域が観察できる。増強された膵実質のなかに、造影効果の乏しい低信号域が膵尾部に認められます。
この問題は別冊の図版(写真・標本・心電図など)を見て答えます。図版は転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも所見の読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑷と⑸です。提示された腹部の画像では大動脈や門脈などの血管内腔と肝・膵の実質が明るく描出されており、脂肪抑制を併用したT1強調像を造影剤投与後に撮影したものと読み取れます。さらに膵尾部には、周囲の増強された膵実質より暗く抜ける低信号域があり、造影効果に乏しい腫瘤性の病変として描出されています。造影後の膵は正常部が強く増強されるため、乏血性の膵腫瘍はこのように低信号域として目立ちます。この断面の高さと撮像範囲では腎動脈や上行結腸は同定できません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-06.html)を加工して作成