胸部X 線撮影で遠距離撮影を行う理由はどれか。
胸部X 線撮影で遠距離撮影を行う理由はどれか。
- ⑴ 散乱線の減少散乱線は被写体内で発生するため撮影距離を変えても減りません。除去にはグリッドを用います。
- ⑵ 肩甲骨陰影の消失肩甲骨陰影を肺野から外すのは、両肩を前方に回して肘を張る体位の工夫によるもので、撮影距離とは関係しません。
- ⑶ 呼吸停止時間の短縮距離を伸ばすと逆二乗則により必要な線量が増え、撮影時間はむしろ長くなりがちです。呼吸停止時間の短縮にはつながりません。
- ⑷ 心臓陰影拡大の抑制心臓は受像器から離れた前方にあるため拡大されやすく、遠距離撮影でX線束を平行に近づけることで拡大を抑え、心胸郭比を正しく評価できます。
- ⑸ 画像コントラストの向上画像コントラストは管電圧やグリッドで決まる要素で、撮影距離を伸ばすことで向上するものではありません。
解説
正解は⑷です。胸部X線撮影では通常2mという遠距離で撮影します。心臓は胸郭の背側ではなく前方寄りにあり受像器から離れているため、焦点受像器間距離が短いと拡大されて写り、心胸郭比を正しく評価できません。距離を大きくとるとX線束が平行に近づき、被写体から受像器までの距離による拡大の影響が小さくなるので、心陰影の拡大を抑えて実物に近い大きさで描出できます。散乱線の量は距離では減らせずグリッドで除去します。また距離を伸ばすと必要な線量が増えるため、呼吸停止時間はむしろ短縮しにくくなります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-06.html)を加工して作成