中性子と物質との相互作用で正しいのはどれか。
中性子と物質との相互作用で正しいのはどれか。
- ⑴ 熱中性子では相互作用は生じない。熱中性子は捕獲断面積が大きく、原子核に捕獲される反応が活発に起こります。相互作用が生じないという記述は誤りです。
- ⑵ 物質の軌道電子との相互作用が主である。中性子は電荷をもたないため軌道電子とはほとんど相互作用せず、相手は原子核です。
- ⑶ 減速材として高原子番号の物質が用いられる。減速材には、衝突1回あたりのエネルギー移行が大きい軽い原子核、すなわち水やパラフィン、黒鉛など低原子番号の物質を用います。
- ⑷ 中性子捕獲断面積は中性子の速度に比例する。中性子捕獲断面積はおおむね速度に反比例します(1/v則)。遅い熱中性子ほど捕獲されやすくなります。
- ⑸ 速中性子は物質の厚さとともに指数関数的に減少する。中性子は一回ごとの衝突や捕獲で取り除かれるため、細く絞ったビームでは物質の厚さに対して指数関数的に減少します。
解説
正解は⑸です。中性子は電荷をもたないため物質中で連続的にエネルギーを失うことがなく、原子核との衝突や捕獲という一回ごとの事象で取り除かれます。したがって細く絞ったビームでは、光子と同じように物質の厚さに対して指数関数的に減少します。中性子は軌道電子とはほとんど相互作用せず、相手は原子核です。減速には、衝突1回あたりのエネルギー移行が大きい軽い原子核が有利なので、水やパラフィン、黒鉛など水素を多く含む低原子番号の物質が減速材に用いられます。中性子捕獲断面積はおおむね速度に反比例し、熱中性子でこそ大きくなります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-06.html)を加工して作成