直線加速器で平坦な線量プロファイルを期待して測定したところ、図のような線量プロフ…
直線加速器で平坦な線量プロファイルを期待して測定したところ、図のような線量プロファイルが得られた。考えられる原因はどれか。
- ⑴ X 線出力が不足していた。出力が不足していればプロファイル全体の線量が一様に低くなるだけで、照射野内の一部だけがへこむ形にはなりません。
- ⑵ コリメータが非対称に開口していた。コリメータが非対称に開口していれば、中心軸に対して照射野の端の位置が左右で異なる形になります。照射野内の局所的な落ち込みは説明できません。
- ⑶ コリメータの下に意図しない構造物が入っていた。ビーム経路上に意図しない物体があると、その影にあたる部分だけが余分に減弱し、照射野内に局所的な線量低下が生じます。示された限局した落ち込みと一致します。
- ⑷ 照射野サイズに対応しない平坦化フィルタを使用していた。照射野サイズに合わない平坦化フィルタでは、周辺の線量が持ち上がる、あるいは下がるといった全体的な傾きとして現れます。
- ⑸ X 線のエネルギーに対応しない平坦化フィルタを使用していた。エネルギーに合わない平坦化フィルタでは、中心が盛り上がる、または周辺に角が立つといった全体の形の崩れになります。
この問題は別冊の図版(写真・標本・心電図など)を見て答えます。図版は転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも所見の読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑶です。示されたプロファイルは、照射野の端の位置や左右の対称性はおおむね保たれている一方で、照射野内の限られた範囲だけ線量が落ち込んでいます。このように照射野内の一部分だけが欠ける形になるのは、ビーム経路上に意図しない物体が入り、その影の部分だけ余分に減弱したときに起こります。コリメータが非対称に開口していれば照射野端の位置そのものが左右でずれ、平坦化フィルタが照射野やエネルギーと合っていなければ、中心が盛り上がる、あるいは周辺が持ち上がるといった全体の形の崩れとして現れるため、局所的な落ち込みは説明できません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-06.html)を加工して作成