頭頸部癌の放射線治療における急性期有害事象はどれか。
頭頸部癌の放射線治療における急性期有害事象はどれか。
- ⑴ 粘膜炎粘膜上皮は分裂が盛んで放射線の影響が早く現れ、頭頸部照射では治療開始2〜3週ごろから口腔・咽頭の粘膜炎が生じます。急性期有害事象の代表です。
- ⑵ 脳壊死脳壊死は照射後半年から数年を経て現れる晩期有害事象で、急性期には生じません。
- ⑶ 下顎骨壊死下顎骨壊死は血流障害を基盤に照射後年単位で生じる晩期有害事象です。抜歯が誘因になることがあります。
- ⑷ 頸動脈狭窄頸動脈狭窄は血管内皮の障害により照射後数年かけて進行する晩期有害事象です。
- ⑸ 甲状腺機能低下甲状腺機能低下は照射後半年から数年でゆるやかに現れる晩期有害事象で、定期的な採血による経過観察が必要です。
解説
正解は⑴です。急性期有害事象とは、照射中から照射終了後おおむね3か月以内に生じるもので、細胞分裂の盛んな組織に早く現れるのが特徴です。頭頸部領域では口腔・咽頭の粘膜炎が代表で、治療開始2〜3週ごろから出現し、放射線皮膚炎、唾液分泌の低下、味覚障害などとともに治療期間中の主な問題になります。一方、脳壊死、下顎骨壊死、頸動脈狭窄、甲状腺機能低下はいずれも照射後半年から数年を経て現れる晩期有害事象です。血管や結合組織の障害を基盤とし、いったん生じると回復しにくい点が急性期との大きな違いです。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-06.html)を加工して作成