標識化合物の純度で正しいのはどれか。
標識化合物の純度で正しいのはどれか。
- ⑴ 標識率は放射性核種純度と同義である。標識率は目的の化学形に取り込まれた放射能の割合であり、放射化学的純度に対応する概念です。核種そのものの純度を示す放射性核種純度とは意味が異なります。
- ⑵ 放射性核種純度検定に高速液体クロマトグラフィが用いられる。高速液体クロマトグラフィは化学形の分離、すなわち放射化学的純度や化学的純度の検定に用います。放射性核種純度の検定にはGe半導体検出器などによるγ線スペクトロメトリを用います。
- ⑶ 標識化合物を長時間保存した場合、放射化学的不純物が生成される。標識化合物は自己放射線分解により時間とともに目的外の化学形をもつ放射化学的不純物を生じます。有効期限が定められている理由でもあります。
- ⑷ 化学的純度は目的とする化学形で放射性核種がその物質の全放射能に占める割合をいう。これは放射化学的純度の定義です。化学的純度は放射能ではなく、目的とする化学形の物質量が全物質量に占める割合をいいます。
- ⑸ 放射化学的純度は化学形に関係なく着目する放射性核種の放射能がその物質の全放射能に占める割合をいう。これは放射性核種純度の定義です。放射化学的純度は、目的とする化学形にある放射能が全放射能に占める割合をいいます。
解説
正解は⑶です。標識化合物は、自らが放出する放射線によって分解を受けます(自己放射線分解)。そのため長時間保存すると、目的の化学形から外れた放射性の分解物、すなわち放射化学的不純物が時間とともに増えていきます。標識化合物に有効期限が定められ、使用前の品質検定が求められるのはこのためです。用語の整理も重要で、放射性核種純度は着目する核種の放射能が全放射能に占める割合、放射化学的純度は目的の化学形にある放射能の割合、化学的純度は物質量の割合を指します。検定にはそれぞれγ線スペクトロメトリとクロマトグラフィが使い分けられます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-06.html)を加工して作成