男性の放射線業務従事者が体幹部を覆う放射線防護衣を着衣し、頸部および防護衣の内側…
男性の放射線業務従事者が体幹部を覆う放射線防護衣を着衣し、頸部および防護衣の内側に1 か所ずつ個人線量計を着用した。実効線量を評価する算出式で正しいのはどれか。ただし、不均等被ばくに対する実効線量の算出式は以下とする。E =0.08 Ha +0.44 Hb +0.45 Hc +0.03 HmE :実効線量Ha :頭部又は頸部の1 cm 線量当量Hb :胸部の1 cm 線量当量Hc :腹部の1 cm 線量当量Hm:Ha、Hb、Hc のうち最大となる1 cm 線量当量
- ⑴ 0.11 Ha0.11Haは頸部の項だけを残した式です。防護衣内側の線量計の値Hbが胸部・腹部の寄与として必要なので不完全です。
- ⑵ 0.08 Ha +0.92 Hb係数の合計は1になりますが、Hmの0.03を胸部側に振っています。最大値となるのは防護衣外の頸部Haなので0.03はHaに加えます。
- ⑶ 0.11 Ha +0.89 HbHc=Hb、Hm=Haとして代入すると0.08Ha+0.44Hb+0.45Hb+0.03Ha=0.11Ha+0.89Hbとなります。正しい式です。
- ⑷ 0.11 Ha +0.89 Hc防護衣の内側に着けた線量計の値は胸部の値Hbとして扱います。Hcという記号で表す形は、装着位置と対応しません。
- ⑸ 0.08 Ha +0.44 Hb +0.48 HcHbとHcを別々に残していますが、実測値は防護衣内側の1か所だけです。またHmの項が抜けており、係数の合計も1になりません。
解説
正解は⑶です。防護衣で体幹部が覆われているため、腹部の1cm線量当量Hcは防護衣内側の線量計の値、すなわちHbと等しく評価します。また防護衣の外にある頸部の値Haが最大となるのでHm=Haです。これらを与えられた式に代入すると、E=0.08Ha+0.44Hb+0.45Hb+0.03Ha=0.11Ha+0.89Hbとなります。男性で腹部が防護衣に覆われる場合の標準的な算出式です。なお女性では腹部(妊娠可能性への配慮)に別途線量計を装着するため、HcをHbで代用できない点に注意してください。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-06.html)を加工して作成