核磁気共鳴の緩和現象で正しいのはどれか。
核磁気共鳴の緩和現象で正しいのはどれか。
- ⑴ 縦緩和時間は磁場均一性に依存する。磁場均一性に依存するのは横磁化の見かけの減衰T2*です。T1はスピンと格子のエネルギー交換で決まり、均一性の影響を受けません。
- ⑵ 縦緩和時間は物質の温度に依存する。T1は分子運動を介したスピン‐格子間のエネルギー移動で決まるため、分子運動が変わる温度に依存します。これが正しい記述です。
- ⑶ 横緩和時間は縦緩和時間よりも長い。横緩和時間T2は位相のばらつきも含むため、常にT1以下です。T2がT1より長くなることはありません。
- ⑷ 横磁化は時間とともに直線的に減少する。横磁化はexp(−t/T2)に従って指数関数的に減少します。直線的な減少ではありません。
- ⑸ 縦磁化は90 度RF パルス印加中に増加する。90度パルス印加中は縦磁化が横平面へ倒れていくため、縦磁化は減少して最終的に0になります。増加はしません。
解説
正解は⑵です。縦緩和(T1)は励起されたスピンが余分なエネルギーを周囲の格子(分子環境)に受け渡す過程で、分子運動の速さに依存します。温度が変わると分子運動の相関時間が変化するため、T1は物質の温度に依存します。一方、静磁場の不均一が影響するのは横磁化の見かけの減衰T2*であり、T1は磁場均一性に左右されません。またT2は必ずT1以下で、横磁化は指数関数的に減衰します。90度パルスの印加中は縦磁化が横平面に倒れて減少するため、増加するという記述も成り立ちません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-06.html)を加工して作成