重荷電粒子の質量衝突阻止能で正しいのはどれか。
重荷電粒子の質量衝突阻止能で正しいのはどれか。
- ⑴ 物質の密度に反比例する。質量衝突阻止能は線阻止能を密度で割った量なので、密度依存性が取り除かれています。反比例するのではなく、ほぼ依存しません。
- ⑵ 物質の原子番号に反比例する。標的の効果はZ/Aの形で入り、多くの物質でこの値は約0.5でほぼ一定です。原子番号に反比例するわけではありません。
- ⑶ 入射粒子の質量に反比例する。阻止能を決めるのは粒子の速度と電荷数です。同じ速度なら質量が違っても阻止能はほぼ同じで、質量に反比例はしません。
- ⑷ 入射粒子の電荷数に比例する。電荷数の効果はz²、すなわち2乗で効きます。単純な比例ではないため誤りです。
- ⑸ 入射粒子のエネルギーに反比例する。阻止能は1/v²に比例し、非相対論領域ではv²∝Eなのでエネルギーに反比例します。低速で阻止能が増えるブラッグピークの根拠です。
解説
正解は⑸です。重荷電粒子の質量衝突阻止能はベーテの式でおおよそ(Z/A)×z²/v²に比例します。速度vが大きいほど電子との相互作用時間が短くなるため阻止能は小さくなり、非相対論領域ではE=mv²/2よりv²∝E/mとなるので、阻止能は入射粒子のエネルギーに反比例します。これがブラッグ曲線で飛程末端に向かうほど阻止能が増える理由です。密度で割った量なので密度には依存せず、電荷数には2乗で比例し、標的の原子番号にはZ/Aを通じてほぼ一定という関係になります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-06.html)を加工して作成