放射線誘発がんで正しいのはどれか。
放射線誘発がんで正しいのはどれか。
- ⑴ 前立腺癌の主な発がん形式である。前立腺癌の多くは加齢やホルモン環境を背景に発生します。放射線が主な発生要因である癌ではありません。
- ⑵ 小児より成人の方が発がんリスクは高い。分裂の盛んな組織が多く余命も長いため、小児の方が単位線量当たりの発がんリスクは成人より高くなります。
- ⑶ 発がんリスクは線量率によって変化しない。低線量率では損傷の修復が進むため、同じ線量でも発がんリスクは低くなります。線量率効果があるので誤りです。
- ⑷ 放射線による肺癌の発生リスクと喫煙は関係ない。ラドンや被ばくによる肺癌リスクは喫煙と相乗的に高まることが知られており、無関係とはいえません。
- ⑸ 同じ物理線量の場合、低LET 放射線より高LET 放射線の方が発がんリスクは高い。高LET放射線は修復困難な集中した損傷をつくるため、同一物理線量では低LETより発がんリスクが高くなります。放射線加重係数が大きいこともこれを反映しています。
解説
正解は⑸です。同じ物理線量(Gy)を比べた場合、中性子線やα線のような高LET放射線はDNA二本鎖切断を密に生じて修復されにくい損傷をつくるため、低LET放射線より発がんリスクが高くなります。これを数値化したのが放射線加重係数で、光子・電子の1に対して中性子は最大20、α粒子は20が与えられています。逆に発がんリスクは線量率が低いほど小さくなる傾向があり、小児は成人より感受性が高く、喫煙と放射線には相乗的な作用が知られている点も併せて押さえてください。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-06.html)を加工して作成