陽子線治療と炭素線治療の比較で正しいのはどれか。
陽子線治療と炭素線治療の比較で正しいのはどれか。
- ⑴ 陽子線治療の方がペナンブラが小さい。ペナンブラは質量の大きい炭素線の方が横方向散乱が小さいため小さくなります。陽子線の方が大きく、記述は逆です。
- ⑵ 炭素線治療の方が生物学的効果比が低い。炭素線は高LETのため生物学的効果比は陽子線より高くなります。低いという記述は逆です。
- ⑶ 炭素線治療の方が線エネルギー付与が高い。炭素イオンは電荷が大きく飛跡に沿って単位長さあたりに与えるエネルギーが大きいため、線エネルギー付与〈LET〉が高くなります。
- ⑷ 陽子線治療の方が酸素効果の影響が小さい。酸素効果の影響が小さいのは高LETの炭素線です。陽子線はX線と同程度の酸素増感比をもち、影響は小さくありません。
- ⑸ 炭素線治療の方がブラッグピークにおける核破砕が少ない。炭素線は核破砕反応を起こしてブラッグピーク後方にフラグメントによる線量の裾を作ります。核破砕は陽子線より多くなります。
解説
正解は⑶です。炭素イオンは陽子より電荷が大きく、飛跡に沿って単位長さあたりに与えるエネルギーが大きいため、線エネルギー付与〈LET〉が高くなります。高LETであることから生物学的効果比〈RBE〉も高く、酸素効果の影響(酸素増感比)は小さくなるので、低酸素の腫瘍にも効きやすいという特徴が生まれます。またペナンブラは質量の大きい炭素線の方が横方向散乱が小さいため小さく、陽子線の方が大きくなります。炭素線は原子核が壊れる核破砕反応を起こしてブラッグピーク後方にフラグメントによる線量の裾を作るため、核破砕は陽子線より多くなります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-06.html)を加工して作成