放射線治療で誤っているのはどれか。
放射線治療で誤っているのはどれか。
- ⑴ セットアップマージンはPTV に含まれる。記述は正しいので正答ではありません。PTVはCTVに内的マージンとセットアップマージンを加えた体積です。
- ⑵ ITV はCTV に内的マージンを加えたものである。記述は正しいので正答ではありません。ITVはCTVに臓器の動きなどによる内的マージンを加えた体積です。
- ⑶ 計算アルゴリズムであるconvolution 法では非電子平衡を考慮している。記述は正しいので正答ではありません。convolution/superposition法は二次電子の輸送をカーネルで扱うため非電子平衡の領域も評価できます。
- ⑷ ホウ素中性子捕捉療法で発生する⁷Li や⁴He の体内飛程は2 ~3 mm である。誤った記述なのでこれが正答です。¹⁰B(n, α)⁷Li反応で生じる⁴Heと⁷Liの飛程は約10 μmで細胞1個程度にとどまり、2~3 mmではありません。
- ⑸ くさびフィルタのウェッジ角度は水ファントム中の10 cm 深における等線量曲線と中心軸を横切る角度の余角である。記述は正しいので正答ではありません。ウェッジ角度は水中10 cm深の等線量曲線が中心軸を横切る角度の余角と定義されます。
解説
正解は⑷です。ホウ素中性子捕捉療法では¹⁰B(n, α)⁷Li反応で⁴Heと⁷Liが生じますが、これらの体内飛程は約10 μm、すなわち細胞1個程度にとどまります。だからこそホウ素を取り込んだ腫瘍細胞だけを選択的に破壊できるのであり、2~3 mmという記述は3桁ほど大きく誤りです。他の選択肢は正しい記述で、PTVはCTVに内的マージンとセットアップマージンを加えたもの、ITVはCTVに内的マージンを加えたもの、convolution法は二次電子の輸送を扱うため非電子平衡を考慮でき、くさびフィルタのウェッジ角度の定義も記載どおりです。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-06.html)を加工して作成