同一腫瘤の腹部超音波像(別冊No. 6A)とMR 像(別冊No. 6B)を別に示…
同一腫瘤の腹部超音波像(別冊No. 6A)とMR 像(別冊No. 6B)を別に示す。矢印の腫瘤の画像所見から判別できる成分はどれか。
- ⑴ ガスガスは超音波で強い高エコーの後方に多重反射やコメット状アーチファクトを生じ、MRではプロトンがなく信号を持ちません。
- ⑵ 血液血液は経過時間で信号が大きく変わり、新鮮なものは超音波で低エコーを示すため、この所見の組合せとは一致しません。
- ⑶ 脂肪超音波で高エコー、MR像で高信号という組合せは脂肪の典型像です。脂肪はプロトン密度が高くT1が短いため明るく写り、脂肪抑制で信号が低下します。
- ⑷ 鉄分鉄分(ヘモジデリン)はT2*を短縮させて著明な低信号となります。高信号を示す成分ではありません。
- ⑸ カルシウムカルシウムは超音波で後方に音響陰影を伴い、MRではプロトンが乏しいため低信号となります。
この問題は別冊の図版(写真・標本・心電図など)を見て答えます。図版は転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも所見の読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑶です。腹部超音波像で腫瘤が周囲より明るい高エコーを示し、同一腫瘤のMR像でも高信号を示すという組合せは、脂肪成分の典型的な所見です。脂肪はプロトン密度が高くT1が短いためT1強調像で高信号となり、脂肪抑制法を加えると信号が低下することで確定できます。ガスは超音波で強い高エコーの後方に多重反射を伴い、カルシウムは後方に音響陰影を作りMRでは低信号、鉄分はT2*短縮で著明な低信号、血液は経過時間で信号が変化します。高エコーと高信号がそろう点が脂肪を示す決め手になります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-06.html)を加工して作成