国際放射線防護委員会〈ICRP〉による放射線防護体系の考え方で正しいのはどれか。
国際放射線防護委員会〈ICRP〉による放射線防護体系の考え方で正しいのはどれか。
- ⑴ 医療被ばくには線量限度が適用される。医療被ばくは患者本人が利益を受けるため線量限度は適用されません。代わりに診断参考レベルなどで最適化を図ります。
- ⑵ 線量拘束値は正当化のプロセスで考慮される。線量拘束値は最適化のプロセスで用いる上限値です。正当化の段階で考慮されるものではありません。
- ⑶ 線量限度は線量拘束値より低い値に設定される。線量拘束値は線量限度より低い値に設定されます。大小関係が逆です。
- ⑷ 防護の最適化では経済的・社会的要因を考慮しなければならない。防護の最適化は経済的・社会的要因を考慮しながら被ばくを合理的に達成できる限り低く保つという原則です。正しい記述です。
- ⑸ 放射線被ばくを伴う状況では防護の最適化を最初に考慮しなければならない。最初に考慮するのは、その行為が便益をもたらすかどうかを判断する正当化です。最適化はその次の段階になります。
解説
正解は⑷です。ICRPの防護体系は、正当化・最適化・線量限度の適用という3原則から成り、このうち防護の最適化は「経済的および社会的要因を考慮に入れながら、被ばくを合理的に達成できる限り低く保つ」というALARAの考え方そのものです。順序としてはまず正当化を検討し、次に最適化を行います。医療被ばくには患者の利益が優先されるため線量限度は適用されず、線量拘束値は最適化の過程で用いる上限で、線量限度より低い値に設定されます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-06.html)を加工して作成