蛍光現象を利用した個人被ばく線量計でSn やAl のフィルタを組合せて使用する目…
蛍光現象を利用した個人被ばく線量計でSn やAl のフィルタを組合せて使用する目的はどれか。
- ⑴ α 線とβ 線を弁別する。α線は線量計の外装で止まってしまうため、そもそも測定の対象になりません。フィルタでα線とβ線を弁別する目的ではありません。
- ⑵ LET 依存性を補正する。LET依存性は素子そのものの応答特性の問題で、金属フィルタの組合せによって補正するものではありません。
- ⑶ フェーディングを補正する。フェーディングは時間とともに蓄積情報が失われる現象で、保管条件や読み取りまでの期間の管理で対処します。フィルタでは補正できません。
- ⑷ エネルギー依存性を補正する。フィルタの有無による読み取り値の比から入射エネルギーを推定し、軟X線領域での過大応答を補正します。これが正解です。
- ⑸ 中性子線に対する感度を高くする。中性子の測定には固体飛跡検出素子など別の仕組みを用います。SnやAlのフィルタで中性子感度を高めることはできません。
解説
正解は⑷です。蛍光ガラス線量計や熱ルミネセンス線量計の素子は、低エネルギーのX線・γ線に対して光電効果の寄与が大きくなるため、実効原子番号の違いから軟X線領域で応答が過大になります。そこでSnやAlなどの金属フィルタを組み合わせ、フィルタの有無による読み取り値の比からエネルギーを推定して補正することで、広いエネルギー範囲にわたって正しい線量が得られるようにしています。すなわちフィルタの目的はエネルギー依存性の補正です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-06.html)を加工して作成