中性子の性質で正しいのはどれか。
中性子の性質で正しいのはどれか。
- ⑴ 自由空間中ではβ⁺壊変する。自由中性子はβ⁻壊変して陽子・電子・反ニュートリノになります。β⁺壊変ではありません。
- ⑵ 静止質量は陽子と電子の静止質量の和よりも大きい。中性子の静止質量939.57MeVは、陽子938.27MeVと電子0.511MeVの和より大きく、これが自由中性子のβ⁻壊変を可能にします。
- ⑶ 熱中性子の室温でのエネルギーの最確値は0.25 eV である。熱中性子の室温での最確エネルギーは約0.025eVです。0.25eVは1桁大きい値になります。
- ⑷ 熱中性子の捕獲反応断面積は中性子の運動エネルギーに反比例する。熱中性子領域の捕獲断面積は速度に反比例する1/v則に従います。運動エネルギーそのものに反比例するわけではありません。
- ⑸ 速中性子が重陽子と弾性散乱したとき失う運動エネルギーの最大値は散乱前の運動エネルギーに等しい。1回の弾性散乱で失う最大エネルギーは4mM/(m+M)²倍で、重陽子(M=2m)では8/9倍です。全部を失うのは水素との衝突です。
解説
正解は⑵です。中性子の静止質量は939.57MeVに相当し、陽子の938.27MeVと電子の0.511MeVの和である938.78MeVより大きくなります。この質量差があるため自由中性子は半減期約10分でβ⁻壊変し、陽子・電子・反ニュートリノになります。熱中性子の室温での最確エネルギーは約0.025eV、熱中性子領域の捕獲断面積は速度に反比例する1/v則に従い、弾性散乱で失う最大エネルギーの割合は標的核の質量で決まり、重陽子では散乱前の8/9にとどまります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-06.html)を加工して作成