全身被ばくで正しいのはどれか。
全身被ばくで正しいのはどれか。
- ⑴ γ 線6 Gy の被ばく後に生じる主な死因は腸管死である。6Gy程度の全身被ばくで主に問題になるのは造血機能の障害による骨髄死です。腸管死はさらに高い線量域で生じます。
- ⑵ 被ばくした直後に意識消失があった場合、致死的である。被ばく直後の意識消失は中枢神経が直接障害されるほどの超高線量を意味し、救命できず致死的です。正しい記述です。
- ⑶ X 線を3 Gy 被ばくした場合10 分以内に重度の頭痛が生じる。3Gy程度では前駆症状として悪心・嘔吐が数時間以内に現れる程度で、10分以内の重度の頭痛は生じません。
- ⑷ 被ばく線量が高いほど腸管死が生じるまでの期間は短くなる。腸管死の時期は腸上皮の再生周期でほぼ決まるため、線量が高くても発症までの期間はおおむね1〜2週間で一定です。
- ⑸ 中性子線3 Gy の被ばくであれば適切な治療介入によって回復可能である。中性子線は高LETで生物学的効果が大きく、3Gyでは造血組織だけでなく腸管も強く障害されるため回復は困難です。
解説
正解は⑵です。被ばく直後に意識消失が起こるのは、中枢神経が直接障害されるほどの超高線量(おおむね数十Gy以上)を受けた場合であり、この段階では現在の医療をもってしても救命はできず致死的です。前駆症状が現れるまでの時間が短いほど線量が高いという関係も、線量推定の重要な手がかりになります。全身6Gyの被ばくで主に問題になるのは骨髄死で、腸管死はより高い線量域で1〜2週間の経過で起こり、3Gy程度では10分以内の重度頭痛は生じません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-06.html)を加工して作成