放射線による殺細胞効果で正しいのはどれか。
放射線による殺細胞効果で正しいのはどれか。
- ⑴ LET が高いほどRBE も高くなる。RBEはLETが約100keV・µm⁻¹で最大となり、それより高いLETでは過剰殺傷のため低下します。単純に高いほど高いわけではありません。
- ⑵ 低LET 放射線では直線的な細胞生存率曲線を示す。低LET放射線の生存率曲線は低線量域に肩をもつ曲線になります。直線的になるのは高LET放射線です。
- ⑶ 高LET 放射線に対する放射線感受性は細胞周期に大きく依存する。高LET放射線では細胞周期による感受性の差が小さくなります。細胞周期依存性が大きいのは低LET放射線です。
- ⑷ α/β 値が小さい細胞では大きい細胞に比べて1 回当たりの線量による影響が小さい。α/β値が小さい細胞は1回線量の大きさに強く影響されます。1回当たりの線量による影響が小さいというのは逆です。
- ⑸ 高LET 放射線では酸素存在下と無酸素下における細胞生存率曲線の差は低LET 線に比べ小さい。高LET放射線では酸素増感比が1に近づくため、酸素の有無による生存率曲線の差が小さくなります。正しい記述です。
解説
正解は⑸です。高LET放射線はDNAに密で修復の難しい損傷を直接つくるため、酸素による損傷の固定に頼る度合いが小さく、酸素増感比〈OER〉が1に近づきます。その結果、酸素の有無による細胞生存率曲線の差は低LET放射線に比べて小さくなります。RBEはLETがおよそ100keV・µm⁻¹で最大となりそれ以上では過剰殺傷のため低下し、直線的な生存率曲線を示すのは高LET放射線のほうで、細胞周期依存性も高LETでは小さくなります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-06.html)を加工して作成